建設キャリアアップシステムの利用料金は?下請は無料?
建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用するには利用料金がかかります。本記事では、建設キャリアアップシステムの利用料金について、どこよりも詳しく解説をしていきます。
※建設キャリアアップシステムって何?
建設キャリアアップシステム(略称CCUS)は、技能者の就業履歴などのキャリア情報を記録していく国が管理するシステムです。技能者に発行されるカードを現場でタッチすることで活用することができます。
詳しくは「建設キャリアアップシステムとは?10分で解説!」を参照。
建設キャリアアップシステムの利用には料金がかかる
建設キャリアアップシステムを利用するためには、元請けであっても下請けであっても、利用にかかる料金が発生します。発生する料金は、大きく分けると、システムへの登録時にかかる登録料と、登録後にかかる利用料にわかれます。さらに、登録後にかかる利用料については、元請け事業者と下請け事業者で、かかる料金が変わり、元請け事業者の方が、負担する利用料は多くなります。それでは、それぞれを詳しく見ていきましょう。
建設キャリアアップシステムの登録にかかる料金
まず、建設キャリアアップシステムに登録する際に、登録料金がかかります。登録料金は事業者の情報を登録する事業者登録と、技能者一人一人の情報を登録する技能者登録の、それぞれでかかります。なお、1人親方の場合も、事業者登録と技能者登録の、両方を行う必要があります。では、それぞれの利用料金を見ていきましょう。
※建設キャリアアップシステムを利用する場合、技能者が所属する事業者がシステムに登録している必要があり(事業者登録)、そのうえで技能者が登録を行います(技能者登録)。
詳しく知りたい方は「」を参照ください。
事業者登録にかかる料金
事業者登録の登録料金は、登録する会社の資本金額によって、以下の通りの金額となります。なお、1人親方(従業員がいない個人事業主)は無料で、従業員がいる個人事業主は、6000円となります。
資本金額 | 登録料(税込) |
---|---|
1人親方 | 無料 |
500万円未満(個人事業主含む) | 6,000円 |
500万円以上~1,000万円未満 | 12,000円 |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 24,000円 |
2,000万円以上~5,000万円未満 | 48,000円 |
5,000万円以上~1億円未満 | 60,000円 |
1億円以上~3億円未満 | 120,000円 |
3億円以上~10億円未満 | 240,000円 |
10億円以上~50億円未満 | 480,000円 |
50億円以上~100億円未満 | 600,000円 |
100億円以上~500億円未満 | 1,200,000円 |
500億円以上 | 2,400,000円 |
技能者登録にかかる料金
技能者登録は登録するタイプによって以下の通りの料金となります。簡略型と詳細型では、システムに登録できる項目が変わってきます。詳細型は、技能者の保有資格の情報などが登録できますが、簡略型は登録ができません。
登録種別 | 登録料(税込) |
---|---|
簡略型 | 2,500円 |
詳細型 | 4,900円 |
それぞれの登録料金は登録申請時に支払いを行い、原則登録時と更新時(5年に一度)にしかかかりません。
登録後のシステム利用にかかる料金
建設キャリアアップシステムに登録した後は、システムの利用にかかる料金が発生します。発生する利用料金は、元請け事業者も下請け事業者も発生するID利用料と、元請けだけに発生する現場利用料の2つがあります。
ID利用料
事業者登録をすると、管理者IDというものが1つ発行され、そのID1つあたりに年間でかかる料金が、このID利用料になります。この管理者IDは事業者に発行されるもので、技能者一人一人には発行されませんので、ID利用料は事業者にのみかかる料金ということになります。
ID利用料:11,400円/年間
※1人親方の場合は2,400円/年間
下請け事業者に発生する利用料金は、このID利用料のみになります。ここからは元請け事業者にのみかかる利用料金を解説していきます。
元請けのみがかかる現場利用料
キャリアアップシステムは、カードを現場のカードリーダーでタッチすることで、技能者のキャリアを蓄積していく仕組みですが、この技能者のタッチ毎に、現場を開設した元請け事業者には、現場利用料が発生します。
現場利用料は、タッチ1回につき10円がかかります。そのため、50人の技能者が入る現場で、10日間現場が動いていた場合、この現場にかかる現場利用料は以下の通りとなります。
50人×10円/1タッチ×10日間=5,000円
元請けは他にもカードリーダー設置費用がかかる
また元請け事業者が忘れてはいけない費用として、カードリーダーの設置費用があります。カードリーダーは元請け事業者が設置を行いますが、このカードリーダーの購入代金が、メーカーにより異なりますが、1台につき1~3万円程度かかります。同時に開設する現場の数が多ければ、その分カードリーダーの購入費用も増える為、何台購入し、どの程度費用がかかるかを見積もっておくことをオススメします。
キャリアアップシステムの利用にかかる料金一覧
それでは、ここまで解説した建設キャリアアップシステムの利用料金を一覧にまとめます。
利用料金 | 金額 | 下請け事業者 | 元請け事業者 |
---|---|---|---|
事業者登録料 | 資本金額による | 必要 | 必要 |
技能者登録料 | 簡略型:2,500円/1人 詳細型:4,900円/1人 | 必要 | 必要 |
ID利用料 | 11,400円/年 | 必要 | 必要 |
現場利用料 | 10円/1タッチ | 不要 | 必要 |
カードリーダー設置費 | 機材による | 不要 | 必要 |
まとめ
以上、ここまで建設キャリアアップシステムの利用料金について解説をしてきました。下請け事業者であっても、登録時や1年に一度発生する料金がありますので注意しましょう。また、特に現場を多く抱える元請け事業者にとっては、現場利用料がふくらむ可能性がありますので、利用料金をしっかりと見積もっておくことをオススメします。