建退共の電子申請を建設キャリアアップシステムで楽に行う方法
建退共の電子申請を活用すれば、毎回証紙を購入する手間がなくなり、仕事が大幅に簡略化できます。しかし、就業実績は手入力で毎回作成する必要がありました。そこで、建設キャリアアップシステムの情報を活用することで、その作業時間も大幅に短縮する事が可能になります。
本記事では、建退共の電子申請を建設キャリアアップシステムで楽に行う方法について、わかりやすく解説していきます。
※建設キャリアアップシステムって何?
建設キャリアアップシステム(略称CCUS)は、技能者の就業履歴などのキャリア情報を記録していく国が管理するシステムです。技能者に発行されるカードを現場でタッチすることで活用することができます。
詳しくは「建設キャリアアップシステムとは?10分で解説!」を参照。
建退共の電子申請とは?
建退共は、建設業退職金共済制度の略称で、建設技能者の退職金を事業者が掛金を支払う事で積立ていく制度で、技能者は建設業界で働くことを辞めた際に、退職金を受け取ることができます。
この建退共は、これまで事業者が証紙を購入することで掛金を積み上げ、その証紙を技能者が手帳に貼っていくことで、その枚数に応じて退職金が受け取れる仕組みでした。しかし、証紙を買ったり貼ったりする作業に非常に手間がかかる点が課題だったため、令和3年から、電子申請により証紙を購入せずに掛金の納付が出来るようになりました。
電子申請の利用には就業実績の作成・報告が必要
この電子申請での掛金の納付は、次の仕組みで行います。まず、事業者が、建退共が管理運営している「就労実績報告作成ツール」を通じて、技能者の就業情報を報告します。その就業情報で報告された就業実績に応じて決まった掛金を納付する事で、証紙を使わずに技能者の退職金を積み上げていくことが可能になります。
その為、証紙を購入し技能者に交付する手間はなくなりましたが、就労実績報告を手入力で作成する手間はどうしても発生してしまっていました。
建設キャリアアップシステムの就業実績の取込で大幅時短が可能
そこで、建設キャリアアップシステムと建退共が連結し、キャリアアップシステムで蓄積された技能者の修行情報を、就労実績報告作成ツールで取り込める仕組みにしました。それにより事業者は、就労実勢報告の作成にかかっていた時間を大幅に簡略化する事が可能になりました。しかも、キャリアアップシステムで蓄積されたデータを自動で読み込むため、手入力で作成するよりも正確に情報が反映できるというメリットも加わりました。
建退共への就業情報の取り込み方法
この便利な建設キャリアアップシステムの就業情報の取り込みは以下の手順で行います。
※既に建設キャリアアップシステムの事業者IDを取得し、現場に入る技能者には技能者IDが発行されカードを保有していることが前提となります。
まずは建退共の公式サイトから、就労ツールをダウンロードし、会社情報を登録します。
建設キャリアアップシステムの事業者登録管理画面にログインし、建退共連携設定を行い、連携する現場の現場登録を選択する。
建設キャリアアップシステムに登録された現場情報をデータとして出力し、そのデータを就労ツールに取り込みます。
取り込んだ現場情報を使用し工事情報ファイルを就労ツール上で作成し建退共に申請します。
「④」以降は、毎月、建設キャリアアップシステムに蓄積された技能者の就業実績データをシステムから抽出し、そのデータを就労ツールに取り込みます。以上の作業により、毎月の就業実績報告が完了し、技能者の掛金額が確定します。
引用:国土交通省
まとめ
以上、ここまで建退共の電子申請を建設キャリアアップシステムで楽に行う方法について解説してきました。証紙を購入する方法よりも、大幅に事務作業が短縮され、かつ正確に掛金の納付が可能になります。事務作業の負担削減に向けて、ぜひ自社でも導入を検討されてみてはいかがでしょうか。